◆概要◆

瀬田城は天文年間（1532〜55年の間）に後北条氏家臣・長崎重光により築かれました。 北西から伸びる舌状台地で三方を断崖で囲まれ、丸子川を堀とした天然の要害でした。 矢倉沢往還が多摩川を渡る「二子の渡し」を抑える要衝でもありました。 吉良氏の奥沢城や世田谷城も近く、吉良氏の援護または監視の目的があった可能性があります。 長崎重光は小田原にあった行善寺を当地に移し、自身の出家後は「行善入道」と号して1552年に没しました。 その後、1590年に豊臣秀吉により主家・後北条氏が滅ぼされると、長崎氏は帰農して代々名主を務めました。 現在、瀬田城の遺構は何もありませんが、行善寺が現存しています。 また、近年まで長崎氏の館があった所には「長崎館跡」の石碑があります。