◆概要◆

大宝城は1086年、下津間盛幹が東西南を大宝沼に囲まれた台地上に築きました。 大宝沼は北隣の関城周辺まで続いており、連絡は船を用いていました。 南面は陸続きであったため、土塁を築いて防御線としました。 この土塁は高さが約5メートルある巨大なもので、大宝八幡宮の入口に現存しています。 南北朝時代には近隣諸城とともに南朝方となり、足利尊氏が派遣した高師冬の軍勢にたびたび攻められました。 小田城落城後は春日中将顕国が興良親王を奉じて大宝城に移り、南朝方の最重要拠点となりました。 しかし、関城との連絡が絶たれて劣勢となり、1343年に落城し城主・下妻政泰が討死しました。 現在、城跡には大宝八幡宮と大宝小学校があり、周辺は宅地化されています。 遺構はかなり消滅しましたが、地形と本丸南面の土塁は旧状をよく残しています。