◆概要◆

下館は940年に平将門が乱を起こした時に、この乱を平定するため藤原秀郷が上館・中館・下館の3つの館を築いた所であると伝わります。 中館（伊佐城）はここから1.9km北にあり、南北朝時代に伊達行朝（当地出身、仙台伊達家の祖）が南朝のため籠城奮戦したことで有名です。 上館（久下田城）は6.5km北方にあり、戦国時代の勇将・水谷蟠龍斎政村の居城として知られています。 下館城は室町時代の中ごろ1478年に水谷勝氏が始めて築城しました。 水谷氏は以後、勝国、勝之、勝吉、治持と続いて次第に勢力を拡張し、6代・水谷政村の頃には5万石を領するに至りました。 水谷政村は下館を弟・水谷勝俊に譲り、自らは久下田城に移りました。 水谷次の勝隆の代に備中へ移封となり、水戸家・徳川頼房の長男・頼重（光圀の兄）が新たに5万石の城主となりました。 3年後に讃岐高松12万石へ栄転し、下館を去りました。 以後、増山正弥、黒田直邦とたびたび城主が代わり、1733年に石川総茂が2万石の城主として着任してからは、代々石川氏の城となりました。 石川氏は9代137年間この地を支配し、明治になって廃城となりました。