◆概要◆

吉川元春が居城とした日野山城西南の山麓に、隠居館として1583年に築かれました。 南側正面には高さ約3メートルの巨大な石垣が約80メートル続き、後方は山、両側には土塁を築き、その上に塀を巡らせていました。 数多くの建物の他に庭園もあり、造園後に一度改装されたことが判明しています。 同様の庭園は近隣の今田氏館にも現存しています。 正面の石垣は特徴のある積み方をしています。 柱のように巨大な岩石を一定間隔で立て、その間を埋めるように大小の石を充填する手法を用いて築いています。 同様の石垣の建築手法は現在も宮島の厳島神社参道の海側の石垣でも見られ、吉川元春館を築いた石工集団が、この石垣の建設にも関与したことをうかがわせます。